投稿小説だぜ

火山十三さま作

『戦え! FANG GUNNERS!』外伝

天国なんて待たせておけ!

明日よりも友を選んだ男(+女一人)たち

第四話


◇さらば、愛の戦士たち◇


◇1◇


「よし、もう一度作戦の確認をしよう」

『OK牧場の血統』本陣。開口一番、そう言ったのはシルクハットにクラシックなフロックコートのスーツを着込んだ少年だ。

名前はバット・マスターソン五世(以下、バット)。正式な名はバーソロミュー・マスターソン五世。

アメリカフロンティア時代、ダッジ・シティの保安官にして政治家であったバット・マスターソンの子孫である。

180センチの長身に引き締まった体躯、黒に近いダークブラウンの瞳を持つ。温和そうな顔立ちで、年の割に落ち着いた雰囲気を持つ。

西部劇サバイバルゲームチーム『OK牧場の血統』の作戦参謀的な存在で、チームのまとめ役。温厚で常に他人を第一に考えて行動する人柄が、多くの人から慕われており、彼らの母校『私立ワイルドウエスト高校』では生徒会長をしている。

「OK、作戦は『OK牧場の決闘』だったな?」

と、バットの問いに答えたのは、『OK牧場の血統』のリーダーである、ワイアット・アープ五世(以下、ワイアット)である。

彼は、バット・マスターソンと同時期にアメリカ西部で活躍した伝説の保安官、ワイアット・アープの子孫である。

185センチと言う長身と、流れるようなブラウンの髪、そして鷹の目のように鋭いスカイブルーの瞳が印象的である。

その鷹の目のような瞳から想像されるように、ドライで常に冷静沈着。しかし、真面目で几帳面な性格も持ち合わせており、彼に反感を抱く者はあまりいない。また、仲間が撃墜されるなどした場合、別人と思えるほど熱い男になり、友人想いの一面も覗かせる。

「そう、我々は横一線に進み、敵と接触したら分散、それぞれ目標に当たることになるね」

バットはそう言ってワイアットの答えを肯定した。

「久しぶりに、ガチの撃ち合いになりそうだな」

好戦的な性格を抑えきれないような口調でそう言うのは、カーリー・ビル五世(以下、ビル)である。

本名はビル・ブローシアス五世。

彼は、アメリカフロンティア時代、西部でその悪名を轟かせたアメリカ最初のギャング団『カウボーイズ』の首領、カーリー・ビルの子孫なのである。

長身だがやや痩せすぎともいえる体躯を持ち、特徴的な巻き毛の黒髪が印象的である。

性格は明るく陽気なチームのムードメイカーであるが、ひとたびサバイバルゲームになると一変、自分より弱い相手をいたぶってから撃墜すると言うかなりのサディスト。フリーズコールをされても、だまし討ちをするという汚い手を平気で使うこともある。

「問題は相手の火力だな。とくに、あのマシンガン二丁とグレネードランチャーを持ったやつが曲者だ」

と、冷静に対戦相手を分析するのはジョニー・リンゴ五世(以下、ジョニー)である。

彼の先祖はカーリー・ビルと共に悪行の限りを尽くした早撃ちガンマン、ジョニー・リンゴである。

ブロンドの髪にグレーの瞳、そして端正な顔立ちからクールな印象を受ける。その容姿から女性にモテ、常に何人かの女性をはべらせている。

性格はクールでニヒル、それでいて冷酷非情。サバイバルゲームではよくビルと組んで卑怯な策をよく用いる。また、先祖の遺伝か、早撃ちに天才的な才能を発揮、それをサバイバルゲームでも応用している。

「回りくどいのはやめようぜ。あんな過去のことをうじうじ言ってる奴らなんか、おいら一人でも片付けてやるぜ!」

いつも以上に息巻いているのは、アイク・クラントン五世(以下、アイク)。

先祖はあの西部劇史上名高い決闘『OK牧場の決闘』でアープ兄弟とドク・ホリディに戦いを挑んだアイク・クラントンである。

長身で筋骨隆々のごつい体つきで、怪力が自慢。それでいて足が速い。これは父が経営する農場で、牛追いなどで鍛えたからによるものなのだ。

性格は豪快だが、単純で怒りっぽく、いつもビルやジョニーにパシリにされている。だが、本人はパシリにされていると言う自覚はない。

彼らの対戦相手は栃木の日本人学校に通うメキシコからの留学生で構成されている『デスペラード』である。

アイクの言う「あんな過去」と言うのは、昨年『デスペラード』が全国高等学校サバイバルゲーム選手権大会に出場した際、準決勝の対戦相手『サンタ・セシリア』に自慢のギターケース型エアガンを盗まれ、惨敗したことである。

『デスペラード』のメンバーは『サンタ・セシリア』に復讐するために今年も出場したのであるが、『サンタ・セシリア』の面々は栃木県から他県へと転校してしまい、彼らと対戦するためには全国大会へと進まなくてはならなかった。そのために、『デスペラード』の面々は並々ならぬ闘志を胸に秘めて、ここまで勝ち上がってきたのである。そして、『デスペラード』の前に立ちふさがろうとしているのが『OK牧場の血統』なのである。

「馬鹿が…」

と、ジョニーがアイクに向かって呟いたが、幸運と言うべきかアイクはその言葉を聞き取ることは出来なかった。

「で、あたしが本陣の防衛ね?」

確認の口調でそう言うのは、ドク・ホリディ五世(以下、ドク)。

本名ケイト・ホリディである。彼女はワイアット・アープの親友として知られているギャンブラーにして早撃ちガンマン、ドク・ホリディの子孫である。

まばゆいほどのブロンドの髪を持ち、薄茶色の瞳を持つ。180センチに達しようとする長身をもち、モデル並のプロポーションと美貌を持つ。

しかし、その容姿に反して性格は皮肉屋で毒舌家、喧嘩っ早くおまけにギャンブルが大好きと言うじゃじゃ馬振りを発揮している。しかし、喘息を患っているためあまり激しい動きをすると発作を起こしてしまうと言う、爆弾を抱えている。

「そうだ。まだ体力は全快していないだろ?そんな調子で前線に出たらまた喘息の発作を起こすぞ」

「…わかってるわよ」

ドクの体力が全快していないのにはわけがある。それはこの二回戦が始まる直前、『OK牧場の血統』に恨みを持つ一回戦で戦った『大栃木陸軍』によって誘拐されたからなのだ。

幸い、『OK牧場の血統』の情報収集担当でワイアット達の友人である任侠集団『清水一家』五代目(一応、まだ継いではいないが)清水次郎長こと、清水哲雄(しみずてつお)によって救出され、大きな怪我も無かったのが不幸中の幸いであった。

しかし、長時間拘束されていたことによる体力の消耗は激しく、大会会場に戻ってきたときは何とか自分の足で歩けたのだが、救出された時は自分の足で立っていられないほど体力を消耗し、脱水症状を起こしていたのだ。

「でも、ワイアット達が危なくなったらあたしも前線に行くわよ」

と、ドクは気丈にもそう言って見せた。

「…その時は臨機応変に行こう。だが、くれぐれも無理はするな」

ワイアットはドクにそう気遣った。へたに「絶対前線へは出るな!」と言えば人一倍高いドクのプライドを傷付けだけである。

「ありがとう…でも、あたしは戦いたいの!…ワイアット達と一緒に」

そう言ってドクは頬を赤らめた。ドクは、ワイアットのことを愛しており、ドクが日本留学を決意したのも一歳年上でさきに日本へ留学していったワイアットを追いかけてのことなのである。

しかし、当のワイアットはドクが自分を愛していることを薄々感じ取ってはいるものの、どう受け止めてよいかわからないでいる。

そんなワイアットの態度に、もともと気が長くないドクは苛立ちを覚えることがある。そんな時、間に入るのが、バットなのである。

バットはアメリカにいる時からドクがワイアットのことを愛しているのに気づいており、日本に着てからは色々なデートスポットをドクに教えたり、二人きりになれるシュチュエーションを作ったりと涙ぐましい努力をしているのだが、今のところそれが成功したためしは無い。

「…わかった。でもドク、無理はするなよ」

と、ワイアットはドクに気遣いの言葉を入れる。本来のドクなら「あら?あたしのこと心配してくれるの?」とか言ってワイアットに茶々を入れるのだが、さすがに今回は言わなかった。

「よし、それじゃあ行こうか。ワイアット、いつものを頼むよ」

ここで、バットが会話を終わらせようとした。そろそろ、試合開始の笛がなる頃だったのだ。

「OK…Are you ready guys?」

「「「「「yeah!」」」」」

「Put the guns on!」

「「「「「yeah!」」」」

「Follow me!」

「「「「「yeah hah―!」」」」

ワイアットの掛け声に、勇んで進む『OK牧場の血統』。

はたして、3回戦に進むことが出来るのは、『OK牧場の血統』か?それとも『デスペラード』か? 全国高等学校サバイバルゲーム選手権栃木予選、最大の激戦が始まろうとしていた。



◇2◇


「…来たぞ」

最初に呟いたのは『デスペラード』のリーダー、エルである。

「準備はいいか?カンパ、キーノ、ロレンソ、フィデオ、カロリーナ」

エルがそう言うと5人は一瞬顔を見合わせて大きく頷いた。

彼らはフィールドの中間地点である噴水の自軍側にすでに集まっていた。すると、反対側から『OK牧場の血統』の面々が横一列にゆっくりと近づいてきた。

「奴らも同じ考えか…だが、火力はこちらが上だ。勝てるはずだ」

エルはそう断言する。『OK牧場の血統』のエアガンは全て西部劇に出てくるシングルアクションピストルやレバーアクションライフルなのである。詳しい内容は、次の通りである。

ワイアット:スナイピング用に極限までカスタムされたコルトSAA45バントラインスペシャル16インチ&12インチの二丁拳銃。二丁とも一般のスナイパーライフルとなんら遜色ない射程距離、命中精度を有している。

ドク:ニッケルシルバーメッキが美しいコルトSAA45シビリアンの二丁拳銃である。ドクの得意技である「ファストドロウ(早撃ち)」のためにフロントサイトを削り、より素早く銃を抜けるようにカスタムされている。

バット:メインアームにダブルバレルショットガン、サイドアームにコルトSAA45シビリアン。ダブルバレルショットガンはその名の通り、銃身が二つあり、散弾の効果が高まっている。また、サイドアームのコルトには先祖であるバット・マスターソンが実際に使用していた象牙のグリップをつけている。

ビル:コルトSAA45キャバルリーを二丁。キャバルリーはコルトSAAシリーズの中でも長銃身で、射程距離、命中率ともシビリアン、アーティラリーよりも高い。そのため、シングルアクションながら中距離ではなかなか侮れない存在である。

ジョニー:ファストドロウ用にカスタムされたコルトSAA45シビリアン。ドクのコルトと同様、フロントサイトを削り早撃ちに特化した性能を有している。

アイク:メインアームにウインチェスターM1873にサイドアームにコルトSAA45アーティラリー。ウインチェスターは連射すれば後方支援火器にもなるし、長距離ならスナイピングもできる使い勝手の良い銃である。

しかし、一丁でM60に匹敵するギターケース型マシンガン二丁を持つカンパ、ギターケース型グレネードランチャーを持つキーノと比べるといかにも火力不足は否めない。

だが、彼らは今まで幾度となく自分達より火力の高いエアガンを持つ敵と戦い、勝利してきた誇り高い本物の「ガンマン」なのである。

「待たせたな」

と、ワイアットがエル達に悠然とした態度で言った。

彼我の距離は15メートル。ほとんど至近距離である。

「いや、それほどじゃあないさ」

それに対しエルも悠然と答える。

「ん?女はどうした?」

「あいつは…本陣の防御だ」

ドクの姿が見えないことをいぶかしんだエルがワイアットにそう聞いた。

「5人で俺たちに勝てると思ってるのか?」

「やってみなければわからんだろ」

沈黙の時が流れた。

お互い一言も発さず、睨みあいを続ける。

この異様な雰囲気に、観客席も沈黙するほかはなかった。

沈黙が永遠に続くかと思われたまさにその時…。

「へ、へ、…へーーくっしょん!」

観客席から特大のくしゃみが発せられた。

その刹那。試合が動いた。

「! 今だ!」

ワイアットがそう叫ぶと『OK牧場の血統』は一斉に散開した。それを見たエル達『デスペラード』も散開する。

存在感を示したのは『デスペラード』のカンパとキーノである。

カンパは自慢のギターケース型マシンガンを一丁はワイアットに、もう一丁をビルに狙いを定め、猛然と連射した。ワイアットとビルを追いかけるように足元にBB弾が着弾していく。

ズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!

ズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!

「おわっと!」

ワイアットは間一髪、飛び込むようにして保安官事務所の陰に逃れることが出来た。

しかし、ビルは電信所の陰に飛び込む前に、BB弾の網に絡み取られた。

パチッ!

「ちっ!ヒットだ!」

ビルのヒットコールがフィールドに響く。

ただでさえ戦力が不足している(本来アタッカーであるドクが体調不良のため本陣にいる)なかでビルの早い段階での戦線離脱は大きな痛手と言えた。

また、ギターケース型グレネードランチャーを持つキーノも大きな脅威であった。

キーノは建物ではなくバリケードに隠れたアイクを攻撃していた。

シュバーーン!

アイクの周囲に雨霰とBB弾が降り注ぐ。

元々図体のでかいアイクである。それほど大きくないバリケードにまるで丸まった猫のように身を隠していた。

「あ、あぶねぇ!」

しかし、安心したのもつかの間、第二弾が襲ってきた。

キーノのギターケース型グレネードランチャーは、BB弾300発同時発射可能のグレネード弾をそれこそマシンガンのように連射できる化け物エアガンなのである。

「ふん、キーノからは隠れたつもりだろうが、俺のところからは丸見えだぜ」

酒場の陰に身を潜めたエルがそう言ってほくそ笑んだ。

エルはギターケースの中から、ダットサイトを取り付けたスタームルガー・スーパーレッドホークを取り出すと、バリケードに隠れているアイクを狙撃したのだ。

バシュ!

「!んー!ヒットだー!」

アイクは命中した瞬間、ルールに乗っ取ってヒットコールをするとすぐさま立ち上がった。

それは正しい行動であったが、今回は完全に裏目に出た。アイクがヒットコールをする直前、キーノが3発目のグレネードランチャーを発射していたのだ。

シュバーーン!ヒュ〜〜〜〜〜〜バチバチバチバチ!

「痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛ー!」

発射された300発ものBB弾を頭にもろに受けてしまったのだ。

北海道の某一話一不幸少年も吃驚のドジっぷりである。

アイクはまだ痛みが残る頭を抱えながらセーフティゾーンへと歩いていった。

『OK牧場の血統』は早くも二人目の脱落者を出してしまった。これで前線の戦力比は3:6と圧倒的に不利な状況に陥ってしまった。

「(ちっ!あの二人をどうにかしなければ…)」

と、ワイアットは心の中で自問自答していた。

しかし、『デスペラード』はそんなワイアットをあざ笑うかのように執拗に攻撃していた。

ワイアットを攻撃していたのはロレンソとフィデオの二人である。戦力が減じている状況で『OK牧場の血統』は一人で何人分もの働きをしなければならなかった。

「(ともかく!今は前にいる敵だけに集中するんだ)」

ワイアットは心の中で言い聞かせると、自分を鼓舞するかのように叫んだ。

「仲間の敵だ! 喰らえ!」

ワイアットは保安官事務所から体を乗り出すとすばやく、ロレンソ、フィデオにバントラインスペシャルの銃口を向けた。

このとき、ロレンソとフィデオは丁度エアガンのマガジンを交換している最中であり、ワイアットはこの一瞬の隙にかけたのだ。

「まずい! ロレンソ、フィデオ! 隠れるんだ!」

ワイアットがロレンソとフィデオに狙っているのを発見したエルは二人に叫んだ。

それに気がついた二人もマガジンの交換を中断してバリケードへ隠れようとした。

二人を援護するようにカンパが銃口をワイアットに向けようとしたが、この時はワイアットの反応の方が勝った。

ワイアットが放ったBB弾は寸分の狂いもなく、ロレンソの左胸に命中した。

「!…ヒットだ」

ロレンソは無念そうに歯噛みするとセーフティゾーンへと向かった。

間髪をいれず、ワイアットはフィデオに銃口を向けたが、カンパからの牽制射撃により再び保安官事務所に隠れざるを得なくなった。

その隙に、フィデオは何とかバリケードに取り付くことが出来た。

「エル、カンパ!助かったぜ」

フィデオはバリケードに駆け込みながら二人に礼を言った。そしてすぐさま途中だったマガジン交換を行い、いつでも発砲できる状態を整えたのである。

「まだ喜ぶのは早いぜ、フィデオ」

エルはそう言ってフィデオの油断を諌めた。

そして自分は、ギターケースからM4A1カービンを取り出し、ワイアットが反撃できないよう断続的に保安官事務所にBB弾を撃ち込んで行った。

ワイアットが保安官事務所の陰に隠れたのを見たカンパは次の目標をバットに定めた。

バットは全員が散開した時、唯一本陣方向に向かって走り、本陣と噴水の中間点にあるバリケードに隠れていた。

バットの役割は、本陣から『デスペラード』の様子を伺ってるドクから送られてくるハンドシグナルを他のメンバーに伝達するなのである。

「ちっ!ビルとアイクがやられたか。まずいな…」

バットはそう呟き、バリケードの向こう側を伺おうとした。

しかし、その瞬間、カンパからの銃撃に会い、慌ててバリケードに隠れなければならなかった。

「これじゃあ、状況が把握できない!」

と、バットが吐き捨てた時、本陣のドクがハンドシグナルを送っていることに気がついた。

バットはバリケードを背にして隠れていたのだ。

「ん?『左後方10メートルにカンパ、さらに右後方からキーノが接近中』か!わかった!」

ドクからの情報にバットは瞬時に動いていた。

まず、左後方にいると思われるカンパにダブルバレルショットガンを立て続けに2発、発砲、間髪をいれず、バリケードの脇から体を乗り出し、右後方にいると思われるキーノを射撃したのだ。

これは、キーノのグレネードランチャーの方が多数のBB弾を発射するため初速が遅く、例えこちらが撃墜する前に撃たれたとしても隠れる時間が十分にあると考えたからである。

初速の速いギターケース型マシンガンのカンパを牽制し、キーノを先に撃墜しようと言うのだ。

その作戦は、半分成功した。

「!ちっ、ヒットだ」

バットが撃墜したのは、キーノではなく、カンパだった。そして、牽制したのはキーノの方だったのである。

一瞬驚いたバットであったが、すぐに当初の考えどおりカンパを撃墜したら欲を出さず、すぐさまバリケードに隠れた。

バットが隠れた瞬間、バリケードにBB弾が降り注いだ。まさに紙一重のタイミングでバットはキーノのグレネードランチャーから逃れることが出来たのである。

「なんで、キーノじゃなくてカンパなんだ?」

バットはそういぶかしんだが、ふと思い当たることがあり、ドクにハンドシグナルを送った。

『ドク、俺の左か? お前の左か?』

ドクの答えはこうであった。

『私の左よ!』

『それを早く言え!』

と、ドクとバットが漫才(?)を繰り広げている間にも試合は進んでいった。

強敵であったカンパとロレンソを撃墜できたと言っても、未だに『OK牧場の血統』の不利な状況は変わらなかった。

戦いは混迷の様を呈していた。



◇3◇


時系列はやや遡る。

試合直前の観客席。その頃、観客席の最前列の特等席に陣取っている清水哲雄(以下、哲雄)はある報告を待っていた。

生まれも育ちも東京浅草。中背だが柔道家を思わせるがっしりとした体躯を持ち、髪は短く刈っている。

哲雄は東海から関東一帯を仕切る任侠集団「清水一家」の跡取りで、先祖は「さあ来いと富士を背中に背負って立つ、男の中の男一匹」と評された大任侠清水次郎長(しみずのじろちょう)である。

性格は絵に描いたようなチャキチャキの江戸っ子。明るく豪快で義理と人情に厚く、喧嘩っ早くて涙もろい。座右の銘は「火事と喧嘩は江戸の華」

彼は一家自慢の情報網を使い、『デスペラード』が昨年破れた『サンタ・セシリア』の情報を調べさせているのだ。

「若、東京の親分から電話が入りやした」

と、哲雄に話しかけたのは「清水一家」若衆のリーダー格、大政(おおまさ)である。

次郎長一の子分と言われた大政の子孫。

身長2メートルを超す偉丈夫。人柄は温厚そのもので若衆たちの間でも人望が厚い。

しかし、ひとたび怒るとその巨体から繰り返されるパワーはとてつもないものがあった。

5歳年下に小政(こまさ)と言う弟がいるが、小政は兄と違って背が低くあまり強そうには見えない。

しかし、小政は「清水一家」きっての居合い抜きの達人で、兄大政と共に「清水港は鬼より恐い、大政小政の声がする」と歌われている。

大政の言う「東京の親分」とは、「清水一家」現親分で哲雄の祖父である清水謙次郎(しみずけんじろう以下、謙次郎)である。

豪快な性格で、80近い年齢ながらまだまだ現役バリバリの侠客である。

「おう、じいちゃんからけぃ。……もしもし、じいちゃん?」

『おう哲!おめぇに頼まれた、えぇと、「サンタ・セシリア」だっけぃ?』

と、80近い年齢とは思えないほど明朗活発に答える清水謙次郎に哲雄はやや苦笑しつつ、聞き返した。

「そうそう。すまねぇなじいちゃん、色々手伝ってもらっちまって。で、なんかわかった?」

『おうよ。なんでもそいつらは群馬県大会に出場するつもりらしいぜぃ。名前ぇも「悪党商会」てぇ変えたらしいんでぃ』

「『悪党商会』? なんかどっかの芸能プロダクションみてぇな名前ぇだな」

『まったくだ。がっはっはっはっは! こまけぃことは後でメールすっからよぅ』

と、豪快に笑う謙次郎。それに釣られて哲雄も笑ってしまう。

ちなみに、謙次郎は現在パソコン教室に通い、メールなども自在に使いこなせる“粋”なじいさんである。

『ところで…哲! おめぇ、ワシの許しもなくユキメを使いやがって! なんだ! このべらぼうにたけぇ情報料はよう!』

と、謙次郎は携帯電話が文字通り飛び上がらんばかりの怒号を発した。

ユキメは「清水一家」お抱えの凄腕情報屋であり、その分、彼女に払う情報料は他の情報屋に比べてぬきんでていた。

「す、すまねぇ、じいちゃん。一体ぇ、いくら請求されたんでぃ? 4桁くらいけぃ?」

『あいつの情報料が4桁なわけねぇだろ! …まぁ、あいつにしたら少し安いほうだけんどもよ。一体ぇどんな情報を要求したんでぃ?』

どうやらユキメは「清水一家」の財力を知っているからか、“多少”水増しして料金を請求しているようである。

「どんなことって、実は…」

と、哲雄は『大栃木陸軍』によるドク誘拐事件のことを手短に話した。

そして、ドクが誘拐された場所の情報を教えてくれたのがユキメであったことも話した。

『なにぃ!? そんなことがあったんけぃ? つまり、ダチのためってぇことけぃ。そうけぃ、そうけぃ、おめぇも大人になりやがってぇ〜。ずずっ(鼻をすする音)』

そう言う謙次郎は電話越しに涙ぐんでいるのが分かった。

謙次郎はつねづね哲雄に「友達は大切にしろ」と教えていた。

そのせいもあってか、哲雄は友人との友情にはとにかく厚かった。

そんなわけもあって謙次郎は「友のため」と言った哲雄に正直感動していた。…孫馬鹿である。

『とにかく、今度ユキメを動かすときゃあ、ワシに一言言ってからにするんだぜぃ?』

「わかったよ、じいちゃん。そんじゃあ、メールよろしく頼むぜぃ」

『あいよ!ほんじゃあ、また後でな』

と言って、謙次郎は電話を切った。謙次郎の声がでかいので哲雄との会話は全て、若衆たちに聞かれていた。

「哲ちゃん、おじいちゃん怒ってた?」

と、哲雄に質問したのは、哲雄の許婚であるお蝶(おてふ)である。

本名は江尻帰蝶(えじりきちょう)。年齢は16歳、今年哲雄と同じ私立北洋高校に進学した高校1年生である。

哲雄との結婚はすでにお蝶が生まれた時に決まっており、小さい頃から一緒に住んでいる。

そのため、二人とも相思相愛でところかまわずイチャイチャしている。

顔立ちはかなりの美少女で、可愛いと言うよりカッコイイと言う感じである。

体型もスレンダーでなかなかのものであるが、本人は胸がないことを気にしている(と言ってもそれは本人だけが気にしていることで、実際には他の女性がうらやむほどの体型である。え? スリーサイズを教えろと? んなことしたら、お蝶に殺られちまうぜぃ)。

「ああ、『ユキメを勝手に動かすな!』だってよ」

「たしかに、ユキメさんの情報料は高いしね。まぁ、それに見合う腕を持ってるんだから」

「まぁな…お! じいちゃんからのメールが着たぜぃ」

そう言って、送られたメールを早速見ることにした。

「…ふ〜ん、何々、『有名な映画や小説に登場する悪役になりきったコスプレをするサバイバルゲームチーム。悪どい作戦ばかり立てるので群馬県のサバイバルゲームチームの間では名の知れたチーム』。なるほどねぇ〜」

と、チーム名とその行動が妙に合っている事に哲雄は変に納得してしまった。

「この情報をワイアット達に伝えればちったぁ、あいつらの役に立てるかな?」

「きっとなるわよ。哲ちゃん…」

「お蝶…」

「哲ちゃん…」

すでに自分達の世界に入ってしまった二人。

観客席にちらほらいる危ないお兄さんたちにとっては羨ましい限りの状況であった。

若衆たちはこんなことは日常茶飯事などで気にも留めていない。

その頃試合は双方とも睨み合いが続いていた。そんな試合の様子に観客席も飲まれていた。ある二人を除いては。

「お蝶…」

「哲ちゃん…」

「お蝶…」

「哲ちゃん…」

その時である。

「へ、へ、…へーーくしょん!」

若衆の一人が特大のくしゃみを発したのである。このくしゃみが試合を動かすことになったのであるが、当人は全く気づいていなかった。

「…やい、石(いし)!てめぇ、くしゃみをするときゃあ、口くれぇ押さえろ!」

哲雄は自分達の世界を壊した張本人に向かって怒号を発した。

「す、す、すんません若!」

と、どもりながら平謝りするのは「清水一家」若衆の一人、石松(いしまつ)である。

彼の先祖は「江戸っ子だってねぇ、寿司食いねぇ」の台詞でもおなじみの森の石松(もりのいしまつ)である。

清水一家一の暴れん坊で酒を飲むとさらにヤバくなる。

ちなみに、先祖の石松は「馬鹿は死ななきゃ直らない」の出典となった人物であるが、当代の石松も馬鹿である。

「で、で、でも若〜。なんか、試合のほうが動き出したみたいですぜぃ」

と、いつものようにどもりながら石松が言った。石松の言うとおり、試合は双方入り乱れての乱戦の様子を呈していたのだ。

「あ、ほんとだ。じゃあ、石ちゃんのくしゃみがスタートの合図になったんだ〜」

お蝶はそう言って石松を褒めた。

「め、め、滅相もねぇ、お嬢!」

お蝶が少し褒めただけで石松は感動しておいおいと号泣してしまった。…涙もろさも清水一家一である。



◇4◇


あのくしゃみの犯人が分かったところで、時系列を元に戻す。

ロレンソ、カンパの二人を撃墜したものの、ドクを欠く『OK牧場の血統』は苦戦を強いられていた。

しかし、その中でジョニーだけは違った。

「ほらほらお嬢さん、ここはあなたのような美女が来るところではありませんよ」

と、ジョニーは自分と対峙している『デスペラード』のカロリーナに向かって言った。

口では優しいことを言っているが、行動は正反対であった。

先ほどからジョニーは厩の柱を盾に反撃の機会を伺おうとしているカロリーナに対し、断続的に銃撃を加えていたのだ。

カロリーナはまだ経験が浅いせいか、ジョニーの様子を伺おうとするとどうしても体の一部分が隠れているバリケードから出てしまう。そこをジョニーに狙われているわけだが、命中弾はなかった。

ジョニーの腕ならとっくのとうにカロリーナを撃墜しているところであるが、彼はそのサディステックな性格から、わざと目標を外してカロリーナの反応を楽しんでいたのだ。

「ジョニー! なにをしているんだ! さっさと撃墜してこちらの援護に回ってくれ!」

その様子を見ていたバットが痺れを切らして、少し体をバリケードから出してジョニーに言った。

その直後、エル、フィデオ、キーノからの射撃が集中し、バットは再びバリケードの陰に身を潜めなければならなかった。

「ちっ! わかったよ…さてお嬢さん、そろそろ終わりにしましょうか?」

と、軽口を言ってジョニーが再びカロリーナに銃口を向けようとした。

しかし、あまりにも油断しすぎた。ガン・スピンをしながら銃を向けた時、すでにカロリーナがショットガンの銃口をジョニーにピタリと合わせていた。

「女だからって甘く見んじゃないわよ! くたばれ!」

バシューン!

「!?」

「きれいな女には毒があるのよ。わかった?」

と、カロリーナはジョニーに言った。しばらく唖然としていたジョニーであったが、「フッ」と冷笑を浮かべて言った。

「俺としたことが…ヒットだ」

ジョニーが撃墜されると、観客席のジョニーファンクラブの女の子達が一斉に悲鳴を上げた。

「キャー! ジョニー様〜!」

「なによ! あの女!」

「お高くとまっちゃって! ジョニー様をやっつけたからっていい気になるんじゃないわよ!」

もう言いたい放題である。

言われたほうのカロリーナは別に気にするでもなく、エルと合流すべく酒場へと向かおうとした。しかし、その瞬間を見逃すワイアットではなかった。

バシュ!

「!」

カロリーナの衣装は酒場のダンサーのようなスカートが大きい服である。

そのため、如何にすばやく動こうともスカートが風に舞って広がってしまうため、対抗面積が広くなる。

ワイアットの放ったBB弾はそのスカートに命中したのだ。規定により、カロリーナはヒットされたことになる。

「…ヒットよ。エル、後はお願いよ」

「ああ、わかった」

カロリーナは一言、エルにそう言った後フィールドを後にした。

エルは怒りに燃えてワイアットに銃を向けたが、すでにワイアットは保安官事務所に隠れた後だった。

「ちっ! これで前線では同数になったか。さすがは『OK牧場の血統』。だが、一人も生かしては返さん!」

エルはそう呟くと、エアガンをM4A1カービンからスタームルガー・KP85に持ち替えた。

同じ頃、キーノとフィデオは雑貨店の脇で合流を果たしていた。

「キーノ、あのバリケードに隠れているシルクハットの男を殺ろう」

「ああ。スナイパーのほうはエルに任せよう」

そう言って二人は、バットの隠れているバリケードへ牽制しつつ近づいていった。

それを見逃すワイアットではなかったが、エルからの牽制射撃により亀のように保安官事務所に隠れているほかはなかった。

「やばいな…二人してこられたらどうしようもない。一体どうすれば…」

バットがそう呟いた時、再びドクがハンドシグナルを送っていた。

その内容はバットを驚愕させたが、それしかないと判断し『OK』とハンドシグナルをドクに送った。

バットは腕だけを出し、ダブルバレルショットガンを当てずっぽうにぶっ放した。弾が無くなると今度はコルトSAAに持ち替え、同じように腕だけ出して射撃した。

この攻撃にキーノとフィデオはすばやく、バリケードに隠れ弾切れになるのを待った。

あれだけ景気良く撃ち続ければその内弾切れを起こしてリロードしなければならなくなると踏んだのだ。

その予想は当たっていた。すぐにバットは弾切れを起こしたようで射撃がやんだ。

二人はほくそ笑んでバリケードから身を起こした時、二人の前に一人の女が立っていることに気づき、愕然とした。

「ふふ、馬鹿ねぇ。人間は動くものよ」

と、ドクは笑みを浮かべてキーノ、フィデオの二人を立て続けにBB弾を撃ち込んだ。

二人はなす術もなく撃墜されてしまった。

本陣にいるとばかり思っていたドクが彼らの目の前にいたのだ。驚きのあまり、反応が一瞬遅れてしまった。

「…ヒットだ」

「ああ、俺もだ」

驚きつつも、どこか納得したような表情を浮かべて二人はセーフティゾーンへと向かっていった。

それに気がついたエルはドクへと狙いを変えたが、ドクはすばやくバリケードに身を隠し、逆にワイアットの牽制射撃によりドクを撃墜することを断念せざるを得なかった。

これで前線における戦局はドクが加わったことにより逆転することに成功した。

バリケードに隠れたドクに、バットが話しかけた。

「それにしてもドク、お前前線に出てきて大丈夫か?」

「平気よ。それよりもバット、後残り一人よ」

「ああ、油断は禁物だがな」

二人がそう言う会話をしている間にも、ワイアットとエルはお互い持てる力を最大限に出してどうにかして相手を撃墜しようと奮闘していた。

ワイアットとエルは対照的だった。

ワイアットはずっと保安官事務所の陰から動かずに狙撃しているのに対し、エルはそんなワイアットを翻弄するかのように酒場、次に銀行と移動を繰り返した。

そのたびにワイアットが狙撃するのだが、エルはすばやい動きと牽制の銃撃で思ったように狙いを定めることが出来なかった。

「ちっ!これじゃあ、埒が明かないな。どうしたものか…」

と、ワイアットが呟いた。そう思ったのはエルも同じようだった。

「さすがに栃木一のスナイパーだ。狙いをつけようと思うと弾が飛んでくる。これじゃあいつまで経っても終わりそうもないな…」

エルはマガジンの交換をしつつ、そう呟いた。

その時、バットとドクはワイアットを援護すべく、一気に噴水まで迫って行った。

「ワイアット! 援護するわよ!」

「! ドク! お前大丈夫なのか!」

「あなたもバットと同じこと言うのね。そんなこと言う暇があったらさっさとあいつを撃墜しなさい!」

バットと同じことを言ったワイアットはドクから怒られてしまった。

3対1と逆に圧倒的に不利な立場におかれることになったエルであったがその闘志はなお、衰えることはなかった。

エルは最後の賭けに出た。大胆にも先ほどから隠れていた銀行から悠然と噴水に向かってダッシュした。

そしてスタームルガー・KP85を両手に持ち、一丁をワイアットに向けて発砲し、牽制すると噴水を勢い良く飛び越え、もう一丁をドクとバットに向けたのだ。

バシュ!バシュ!バシュ!

ドクとバットはすばやく反応し、左右に走った。

ドクは一回転しながら保安官事務所の隣にあるバリケードに飛び込んだが、反対に走ったバットはバリケードに飛び込む直前、ついに撃ち取られた。

パチ!

「くそっ!…ヒットだ」

バットが手を上げてセーフティゾーンに向かったが、エルはそれに見向きもせず、間髪をいれずに勢いをそのままにワイアットとドクへ銃口を向け、猛然と迫った。

ワイアットは自分が相打ちになってでもドクを守り、エルを撃ち取ろうと身を乗り出した。

だが、ワイアットが引き金を引く前にエルの放ったBB弾がワイアットを捕らえようとしていた。

「(駄目か…!)」

そうワイアットが思った時、不意にワイアットは横に押し倒された。

「! ドク!」

そう、ドクがワイアットに飛びついてエルの射線からワイアットの体を外したのだ。

エルの放ったBB弾はむなしく保安官事務所の壁に跳ね返された。

エルは改めてドクとワイアットに銃を向けたが、引き金を引くことができなかった。

「ドク! ドク! 大丈夫か!?」

咳き込むドクをワイアットは優しく抱き、その体を支えていたのだ。

「ゴハッ! ゴホッ! ゴホッ! …だ、大丈夫よ。ちょっと激しく動いたからいつもの発作が起きただけよ」

ドクは気丈にそう言った。

環境破壊怪人に操られた『大栃木陸軍』に誘拐された時の体力が回復していない状態で、全速力で走ったり跳んだりしたため、持病の喘息の発作が起きてしまったのだ。

そんな二人の様子を見たエルは静かに構えていた銃を下ろして言った。

「…今お前たちが見せたものはなんだ?」

ワイアットとドクはいぶかしんでエルを見やったが、エルはどこか遠い空を見つめるように顔を空に向け、話を続けた。

「『サンタ・セシリア』への復讐、それが俺たちの悲願だった。前大会の敗北者として屈辱の日々に甘んじてきたのも、復讐できるその日が来るのを信じてのことだった。復讐のためとはいえ、ただひたすら試合に勝つことのみを求めていた。俺は孤独だった…愛する者の姿が目に映らなかった…」

そう言うとエルはワイアットとドクに視線を移した。

「しかし…もういい、俺は十分に戦った。俺の戦いは終わったんだ」

「エル…」

「撃て、俺を撃って次の試合に行くんだ。俺たちの戦いは終わった。だが、お前たちの戦いは終わってないはずだ。戦え!『OK牧場の血統』!」

ワイアットは一瞬躊躇ったが、エルにバントラインスペシャルを向けた。

「…優勝を祈ってるぜ!」

「ああ、今度もう一度あって話をしよう」

「カロリーナを大切にしてあげてね」

「…わかった」

ドクの願いにエルは苦笑しつつも二人に誓った。そして…

バシュ!

ピー!

エルが撃墜された瞬間、フィールドに試合終了を告げる笛が鳴った…。

現在の撃墜数

ワイアット:5
ドク:3
バット:1
ビル:1
ジョニー:0
アイク:0

次回予告

「最大の敵『デスペラード』との壮絶な戦いを制したワイアットとドク。
二人にとって考えさせられることが多い戦いであった。
そして『OK牧場の血統』は第三回戦へと駒を進める。
次の対戦相手は戦国と言う乱世をスタイリッシュに駆け抜ける熱き魂を持った英雄(ヒーロー)達。
しかし、再びワイアット達の前に環境破壊怪人の魔の手が…。
次回、天国なんて待たせておけ!明日よりも友を選んだ男(+女一人)たち第五話『明日に向かって撃て!』

その首、俺たちが頂く!」


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