陰陽五行戦記おまけ劇場第三弾

SSSSS(スペシャルサイドストーリーショートショート)

★『作者ディズニーランドに行く』その5★


もしも作者の連れが淳二だったら

入場ゲートをくぐって一歩足を踏み入れた瞬間、淳二の目の色が変わった。

作者にデジカメを手渡すと、勢いよく走り出した。

「さぁ、兄ちゃん、写真を撮るぜぇ〜!」

だだだだだだだだだだだーっ

怒涛の勢いでカリブの海賊へ行き、そこの入り口で行列の整理をしているお姉ちゃんにアタック。

「お姉さん〜♪ 一緒に写真撮っていいですか〜♪」

説明しよう。ディズニーランドの各アトラクションには、それぞれそのアトラクションにふさわしい格好をしたスタッフのお姉さんがいるのである。

で、淳二の目的はというと…

「ディズニーのすべてのコスチュームのお姉さんと一緒に写真に写るっ!」

って訳らしい。

淳二の人懐っこい笑みにつられたか、はたまた、そういう社員教育を受けたのか…。ともかく、そのお姉さんはにっこり笑顔で淳二とツーショット写真を撮らせてくれた。

「いや〜、どうもありがとうございます♪ お仕事頑張って下さいねっ」

お姉さんにお礼を言うと、淳二はその肝心のアトラクションには見向きもせずに、次のお姉さん求めて走り出した。

「お、おい。淳二、カリブの海賊はいいのか?」

「なに言ってるの兄ちゃん、こんな子供だましのアトラクションなんか乗る必要無し。時間無いんだから次行くよ」

「お、おい…」

だだだだだだだだだだだーっ

「お姉さ〜ん♪」

撮った。

かわいいユニフォームだった。

「次行くぜぇ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「お姉さ〜ん♪」

撮った。

かわいいお姉さんだった。

「次行くぜぇ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「お姉さ〜ん♪」

撮った。

奇麗なお姉さんだった。

「次行くぜぇ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「お姉さ〜ん♪」

撮った。

凄かった。(なにが?)


「あ、あのさ、休まないか、そろそろ…」

「あっ、兄ちゃん、シンデレラだよ! お〜い、シンデレラさ〜ん♪」

休めなかった。


だだだだだだだだだだだーっ

「シンデレラさ〜ん♪」

撮った。

結構かわいかった。

「次行くぜぇ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「お姉さ〜ん♪」

撮った。

着るのが大変そうな服だった。

「次行くぜぇ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「お姉さ〜ん♪」

撮った。

実はお兄さんだった。

「次行くぜぇ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「お姉さ〜ん♪」

撮った。

分からなかった。(なにが?)


「も、もう駄目、限界…」

「あっ、白雪姫だ! おおーい! 白雪姫〜♪」

休めなかった。


「白雪姫さ〜ん♪」

だだだだだだだだだだだーっ

撮った。

近くで見ると結構お年を召していた。

「次行くぜぇ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「お姉さ〜ん♪」

撮った。

忙しそうだったので悪いことをした。

「次行くぜぇ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「お姉さ〜ん♪」

撮った。

しかし、こういう迷惑な客を邪険にしないあたり、プロである。

「次行くぜぇ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「お姉さ〜ん♪」

撮った。

お姉さんの顔が引き攣っていたのは気のせいだろうか。


「いいかげんにしてくれ。もう休まないと死ぬ…」

「じゃあ、どっかでなんか食べよっか」

ついに、休めそうだった。


「ウェイトレスのお姉さ〜ん♪」

…やることは同じだった。

撮った。

あんまり休めた気がしない。

「次行くぜぇ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「お姉さ〜ん♪」

撮った。

食べた後に運動したので、横っ腹が痛い。

「次行くぜぇ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「お姉さ〜ん♪」

撮った。

カメラを持つ手がぶれてきた。

「次行くぜぇ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「お姉さ〜ん♪」

撮った。

意識が朦朧としてきた。

「次行くぜぇ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「お姉さ〜ん♪」

撮った。

逆にお姉さんに心配された。

「次行くぜぇ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「お姉さ〜ん♪」

撮った。

だんだん、お姉さんの顔が全部同じに見えてきた。


「だぁぁぁっ! もう、いいかげんにしろ! せっかく来たのになんでアトラクションに乗れないんだ!」

「…兄ちゃん、じゃあ今度はオレらがコスプレすっか」

…は?


「ウェスタンエリアに行くぜぇ!」

ずるずるずるずる(引きずられる作者)

「着替えるぜ、兄ちゃん」

ガンマンになった。

「撮るぜ!」

撮られた。

瀕死のガンマンだった。

これってアトラクション?

「おっ、そろそろエレクトリカルパレードの時間だ。行くぜ兄ちゃん」

ずるずるずるずる(引きずられる作者)

「席を取るぜ!」

なぜか携帯していたビニールシートを敷いて座席を確保。

「待つぜ!」

ってか、ようやく休めそうである。

「くっ、もう限界…。ごめん、ユリアン、ごめん、みんな…」

一旦横になった作者が再び起き上がることはなかった。

エレクトリカルパレード開始。

「おおーっ、待ってました〜♪ ほらほら兄ちゃん写真。って、どしたの?」

淳二が気づいたときには、作者は昇天していた。


教訓:淳二と遊ぶにも人並みはずれた体力が必要です。


続きを読む 戻る