陰陽五行戦記おまけ劇場第三弾

SSSSS(スペシャルサイドストーリーショートショート)

★『作者ディズニーランドに行く』その2★


もしも作者の連れが美亜子だったら

入場ゲートをくぐって一歩足を踏み入れた瞬間、美亜子の目の色が変わった。

作者の手を掴むと勢いよく走り出した。

「まずはファストパスを取るわよ!」

だだだだだだだだだだだーっ

怒涛の勢いでスペースマウンテンへ行き、ファストパス(あとで優先的に早く乗れるチケット)をゲット。

そして次のファストパスが発券できる時間までは、空いてそうなアトラクションで遊ぶのである。

「さぁ、並ぶわよ!」

美亜子にとっては並ぶことですら真剣勝負である。

ずるをして割り込むやつはいないか、鋭くあたりを監視している。

そしてまた、ガイド本を見つつ次に回るアトラクションを吟味する。

「なぁ、美亜子。何もそこまで気合を入れて回らなくても…」

「何言ってるの。せっかく来たからにはアトラクション全制覇が基本でしょ」

「ぬぅ…」

「さぁ、乗るわよ!」

そしてアトラクションを終えると余韻に浸る間もなく、美亜子が手を引く。

「何ボーっとしてるの。次行くわよ!」

「お、おい…」

だだだだだだだだだだだーっ

「並ぶわよ!」

「ちょ、ちょっと休ませろって…」

「並んでる間に休めばいいでしょ」

「……………」

反論の機会を失って沈黙。

「乗るわよ!」

乗った。

「次行くわよ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「並ぶわよ!」

並んだ。

「乗るわよ!」

乗った。

「次行くわよ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「並ぶわよ!」

並んだ。

「乗るわよ!」

乗った。

「次のファストパスを取りに行くわよ」

だだだだだだだだだだだーっ

取った。

「次行くわよ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「並ぶわよ!」

並んだ。

「乗るわよ!」

乗った。

「次、そろそろファストパスの時間ね。スペースマウンテンに行くわよ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「並ぶわよ!」

並んだ。

ファストパスなので早かった。

「乗るわよ!」

乗った。

楽しかった。


「あ、あのさ、休まないか、そろそろ…」

「やだ」

休めなかった。


「次行くわよ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「並ぶわよ!」

並んだ。

「乗るわよ!」

乗った。

「次行くわよ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「並ぶわよ!」

並んだ。

「乗るわよ!」

乗った。

「次のファストパスを取りに行くわよ」

だだだだだだだだだだだーっ

取った。

「次行くわよ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「並ぶわよ!」

並んだ。

「乗るわよ!」

乗った。

「次、そろそろファストパスの時間ね。ビッグサンダーマウンテンに行くわよ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「並ぶわよ!」

並んだ。

ファストパスなので早かった。

「乗るわよ!」

乗った。

そろそろ楽しいどころではなくなってきた。


「も、もう駄目、限界…」

「で?」

休めなかった。


「次行くわよ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「並ぶわよ!」

並んだ。

「乗るわよ!」

乗った。

「次行くわよ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「並ぶわよ!」

並んだ。

「乗るわよ!」

乗った。

「次のファストパスを取りに行くわよ」

だだだだだだだだだだだーっ

取った。

「次行くわよ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「並ぶわよ!」

並んだ。

「乗るわよ!」

乗った。

「次、そろそろファストパスの時間ね。スプラッシュマウンテンに行くわよ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「並ぶわよ!」

並んだ。

ファストパスなので早かった。

「乗るわよ!」

乗った。

そろそろ生命の危機である。


「た、頼む美亜子、もう休まないと死んじゃう…」

「死ねば」

休めなかった。


「次行くわよ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「並ぶわよ!」

並んだ。

「乗るわよ!」

乗った。

「次行くわよ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「並ぶわよ!」

並んだ。

「乗るわよ!」

乗った。

「次のファストパスを取りに行くわよ」

だだだだだだだだだだだーっ

取った。

「次行くわよ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「並ぶわよ!」

並んだ。

「乗るわよ!」

乗った。

「次、そろそろファストパスの時間ね。ミクロアドベンチャーに行くわよ!」

だだだだだだだだだだだーっ

「並ぶわよ!」

並んだ。

ファストパスなので早かった。

「乗るわよ!」

乗った。

意識が朦朧としてきた。


「もう駄目っ、休むったら休む! 限界! 死ぬ! もう嫌!」

「うるさいっ」

ボゴッ

「うぐはぁっ」

…作者沈没。


「次行くわよ!」

ずるずるずるずる(引きずられる作者)

「並ぶわよ!」

並んだ。

「乗るわよ!」

乗った。

「次行くわよ!」

ずるずるずるずる(引きずられる作者)

「並ぶわよ!」

並んだ。

「乗るわよ!」

乗った。

「よし、これが最後のファストパスの時間ね。プーさんのハニーハントに行くわよ!」

ずるずるずるずる(引きずられる作者)

「並ぶわよ!」

並んだ。

ファストパスなので早かった。

「乗るわよ!」

乗った。

プーさんがお迎えに来た死神に見えた。

「…お、遅いじゃないかミッターマイヤー。………がくっ」


「よっしゃーっ、アトラクション全制覇!!」

喜ぶ美亜子。

「…………あれ?」

美亜子が気づいたときには、作者は昇天していた。


教訓:美亜子と遊ぶには人並みはずれた体力が必要です。


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