陰陽五行戦記おまけ劇場第三弾

SSSSS(スペシャルサイドストーリーショートショート)

★ゲームIFシリーズその1★


もしもセンゴクマンがDQ3だったら


ここはアリア藩の城下町。

勇者リンは冒険者が集う『マカナの酒場』に足を運んだ。

共に冒険に出る仲間を集める為である。

「ふにゅ、勇者リンさま。いらっしゃいませですぅ」

カウンターには名物マスターのマカナの姿。

「早速だが、仲間を探している」

「はいですぅ、どんな人がいいですかぁ?」

リンはしばし考えた。まずは回復系が必要だろう。

「そうだな、僧侶が欲しい」

「はい、ちょっとお待ちくださいね。ヒロナさーん、リンさんがお呼びですぅ」

2階から華麗に登場したのは女僧侶のヒロナ(ちなみに性格はおじょうさま)。

「まぁ、リンさん、お呼びいただき光栄ですわ。一緒に頑張りましょう。それと、ゆくゆくは賢者に転職させてくださいね」

「…すでに人生設計が出来てるのか」

さすがヒロナ様である。


ヒロナが仲間に加わった。


「ふにゅ、ほかにどんな人がいいですかぁ?」

再びリンが考える。

回復魔法系がいるんだから、普通に考えれば、次は攻撃魔法系、ってことで魔法使いが欲しいな。

「魔法使いはいるか?」

「はいですぅ、ええと、ルカさ〜ん、リンさんがお呼びですぅ」

2階から無表情に登場したのは、女魔法使いのルカ(ちなみに性格はいっぴきおおかみ)。

「…何か用か?」

「何か用か…って、冒険の旅に出るからパーティに加わって欲しいんだが」

「…そうか」


ルカが仲間に加わった。


「パーティは4人までだから、あと1人ですね。どんな人にしますか〜?」

みたびリンは考える。

やはり直接打撃系は必要不可欠。

「そうだな、戦士か武闘家は誰かいるか」

「はいですぅ、ミアコさん、ジュンジさん、リンさんがお呼びですぅ」

マカナの呼びかけが終わるかどうかというときには、2階からばたばたと騒々しい足音。

「ちょっと、あたしが先よ」

「駄目駄目、オレの方が素早さが高いんだから、オレが先」

「ああ、もう、邪魔。どきなさい」

「いやいや、こればっかりは譲れな…って、あぶねぇ!!」

どかどかどかどか…。

仲良く階段を転げ落ちて登場したのは、女戦士のミアコ(おとこまさり)と男武闘家のジュンジ(おちょうしもの)。

唖然とするリンの前で、2人は音速で飛び起き、再び先陣争いしつつリンに迫った。

「ねぇ、リン、連れて行くのはやっぱりあたしでしょ?」

「いやいや、オレだよな」

パーティの空きはあと1人。目の前には2人。

2人とも、目の色を変えてリンに詰め寄る。

「いや、それは…」

リンが口ごもると、いよいよ実力行使に移った。

すなわち、ミアコはリンの左手を、ジュンジはリンの右手をがっちり掴んだ。

「あたしを連れて行きなさい」

「連れて行くのはオレ。大体、ミアコちゃんを連れて行ったら女3人じゃねぇか。このエロ勇者!」

「エロ勇者言うな」

リンの反論もむなしく、二人はものすごい力でリンを引っ張る。

ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅ。

「痛っ、やめろ、こら、くっ、ぐはっ」

と、そのとき。

「…茶番には付き合いきれん」

いっぴきおおかみのルカ、あっさりとパーティ脱落。2階に戻ってしまった。


ルカが仲間を抜けました。


「おっ、これで空きが2人ね」

「おっけー、丸く収まったなり」


ミアコが仲間に加わった。

ジュンジが仲間に加わった。


「ふむ、いささか直接打撃系に偏ったパーティだが、まぁいいか。では、冒険の旅に出るぞ」

3人の仲間を引き連れてマカナの店を出ようとした勇者リンだったが、背後からおずおずとした気弱な声に呼び止められた。

「あのー、誰か大事なメンバーを忘れていませんか?」

4人が振り返ると、そこにいたのは声すら掛けてもらえなかった男商人ハルキ(くろうにん)だった。

「別に忘れていたわけではないぞ。今はまだそのときではないだけだ」

あっさりとリンが答える。

「そのとき?」

怪訝そうなハルキにジュンジがごくシンプルに説明してくれた。

「あのさ、お前さんは商人。つまりハルキバーグ要員」

「は、ハルキバーグ?」

「イエス。つまり置き去り。だから一回も使わずLv1でも問題なし。頑張れよ、くろうにん」

「おっ、置き去り…」

絶句して固まるハルキをよそに、4人は意気揚々とマカナの店を出た。

これから波乱万丈の冒険の旅が待っているのだ!

「あんまりだ………」

がっくりと膝をつくハルキの目の前、店のドアが、冒険の旅へのドアがゆっくりと閉じていった。

「はうぅぅぅぅぅ」


ああ、ハルくんってば不幸。



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