陰陽五行戦記おまけ劇場第三弾

SSSSS(スペシャルサイドストーリーショートショート)

★『逐一淳二』その2★


某年5月某日。今日もまたスタジオみたいなところにいる淳二…。

そう、これはSSSSSのために撮りおろされるスペシャル番組の収録なのである。

マイク片手に淳二が早速司会進行。

「さぁさぁ、『逐一淳二』今日はその第二回目だ。今日こそは、兄ちゃんが来てくれてるはずだ。早速紹介するぜ。真田逐一!」

軽快なドラム音とともにスポットライト。

ぷしゃーーーと、ドライアイスの白い煙に包まれて、誰かが登場。

やがて煙が晴れてその場にいる人物の顔が明らかになる。

…しかし、そこに立っていたのはなぜか春樹。

とっても困った表情で呟く。

「あの…、これ、なに?」

「いや〜、話すと長いんだけどさ、実は兄ちゃん、今回も来れなくなっちゃったらしくてさ。で、しょうがないから兄ちゃんの代理でハルを呼んだわけよ。お分かり?」

ぽりぽりと頭を掻きつつ淳二。

春樹はなんとか、頷いてみせる。

「おっ、さすがハル、輪と違って素直だねぇ。やっぱその素直さって大事だと思うわけよ」

春樹、こっそりとため息をつくと、とりあえず素朴な疑問を口にした。

「ええと、それで僕、何すればいいの?」

「とりあえず、オレのトークの相手」

「は、はい…、頑張ります」

「ま、そんなわけで、兄ちゃんはいないけど、恒例の兄ちゃんの近況の話でもするっすよ」

「恒例なんだ…」

うおっほん、と咳払いをし、淳二は手に持った原稿を読み始めた。

「ええと、前回新人の研修中だった兄ちゃんだけど、どうやら配属先が決まったらしい」

「あ、真田君のお兄さんって社会人なんだ…」

「そっ。今年の春、関東の某大企業に就職。んで、前回の収録日って配属先の事業部が決まる大事な面接があった日だったわけさ」

「そうなんだ…。あ、それで配属先って?」

「それがさ、一応第三希望まで書いて提出したのに、そのどれでもなかったんだってさ」

「えっ?」

「なんかね、全然予想だにしなかった事業部に配属になっちゃってさ、いきなり茫然自失。早くも辞めたいとか思ったらしいよ。せっかく入社しても、やりたい仕事が出来ないっぽいし」

「た、大変だね…」(←なんか、人事と思えない春樹)

「あ、でもね、その事業部でも、また細かい配属先を決める面接があってさ、なんか、そっちはうまく通って、希望通りに研究所勤務になったんだってさ」

「そうなんだ。良かった…」

「で、ここからが本題だ」

「本題?」

「そ、今日はさ、兄ちゃん引越しするんだって。都内の寮からその配属先に近い埼玉県内の寮に」

「あっ、だから来れなくなっちゃったんだ」

「そゆこと。まぁ、そんなわけで、次回こそは、兄ちゃんも来てくれるはずだから、待っててね〜」

「……えと、終わり?」

「うん、おかげで助かったよ。サンキューね。もう帰っていいよ」

「あっ、じゃあ、失礼します」

ぺこりとカメラに向かってお辞儀をして、春樹退場。

「したら、オレも。また次回〜♪」


続く


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注意:この作品はフィクションです。当然真田逐一は架空のキャラです。実在する人物、団体などとは一切関係ありません。特に、作者とは何の関係もございません。くれぐれもお間違いのないように。