陰陽五行戦記おまけ劇場第三弾

SSSSS(スペシャルサイドストーリーショートショート)

★『逐一淳二』その1★


某年4月某日。なぜかスタジオみたいなところにいる淳二…。

そう、これはSSSSSのために撮りおろされるスペシャル番組の収録なのである。

マイク片手に淳二が早速司会進行。

「さぁさぁ、新規オープンのSSSSSでは、いよいよオレと兄ちゃんの番組がスタート。その名も『逐一淳二』。ってなわけで、第一回目の今日はオレの兄ちゃんを紹介するぜ。初お目見えだ! その名も、真田逐一!

軽快なドラム音とともにスポットライト。

ぷしゃーーーと、ドライアイスの白い煙に包まれて、誰かが登場。

やがて煙が晴れてその場にいる人物の顔が明らかになる。

…しかし、そこに立っていたのはなぜか輪。

憮然とした表情で呟く。

「…いつから俺はお前の兄になったんだ?」

「いや〜、兄ちゃんがいつの間にか就職しちゃっててさ、研修が忙しいから今日は来れないんだってさ。で、しょうがないから兄ちゃんの代理で輪を呼んだわけよ。お分かり?」

ぽりぽりと頭を掻きつつ淳二。

輪はやれやれと首を振る。

「よく分からんが分かった。…しかし、どうして俺が呼ばれなければならないんだ?」

「だって、オレ一人じゃ寂しいっしょ。やっぱ相方って大事だと思うわけよ」

輪、ふかーくため息をつくと、とりあえず素朴な疑問を口にした。

「お前ら兄弟の番組なんだろ? 第一回目から片割れがいないというのは、どうかと思うぞ」

「うにゅぅ、やっぱり? しかし、こちらにもいろいろとさ、都合ってものがあるわけよ。大人の事情?」

「なんだそれは…。ところで、その“逐一(ちくいち)” って名前から邪推するが、ひょっとしてお前はそのまま行けば“順次”だったのか?」

「そっ、逐一順次、でも、それじゃあんまりだ、ってんで漢字だけ変えたらしいよ。 もしも弟がいたらきっとそいつは“再三”だったねぇ」

「お前の親っていったい…」

「今明かされる真田家の命名規則。シーケンシャルブラザーズって呼んで(笑)」

「……頭痛がしてきた」

「ま、そんなわけで、兄ちゃんはいないけど、ちょっと兄ちゃんの近況の話でもするっすよ」

「やれやれ、本人不在のまま、番組進行か。なかなかむなしいな」

うおっほん、と咳払いをし、淳二は手に持った原稿を読み始めた。

「ええと、逐一兄ちゃんはこの小説の連載がはじまった当初、大阪の大学に通っていて、オレとは4つ違いの20歳だったんだけど、いつの間にか24歳になっちゃった(笑) でもオレは16のまま(^^;」

「…おい」

「まぁまぁ、んで、大学院を出たあと、無事関東の某大企業に就職。4月中は東京都内某所にある会社の寮に仮住まい中で、本社で新人研修中。でもでかい会社だから、研修後にどの事業部に配属になるか決まるんだってさ」

「まぁ、よく分からんが、就職したばかりの場合、大体そんなもんだろうな」

「そっ、で、今日は配属先が決まる大事な面接なんだってさ」

「なるほど、だから来れなかったのか。…っていうか、そんな日にスケジュール組むなよ」

「ご指摘はごもっとも。ってなわけで、次回こそ兄ちゃんを紹介できると思うんで、待っててね〜」

「なんだ、もう終わりか? つくづく、俺がいる意味が分からなかったな…。次回は呼ぶなよ」

「それじゃ、また次回〜♪」


続く


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注意:この作品はフィクションです。当然真田逐一は架空のキャラです。実在する人物、団体などとは一切関係ありません。特に、作者とは何の関係もございません。くれぐれもお間違いのないように。