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第十四話
「センゴクマン試射」
「冷静な平和主義者であろうとするなら、新しい格言を基礎におくべきである。それは君が平和を望むなら、戦争を理解せよということだ」
リデル・ハート
◇某月某日函館市内某所◇
ナレーション:
「センゴクブルーこと伊達春樹、彼は今、同じ下宿に住む先輩、片倉真理からとあるイベントの参加申し込み用紙を突きつけられていた。その用紙に曰く、『全国高等学校サバイバルゲーム選手権大会 道南地区予選』。毎年開催されている高校生同士によるサバイバルゲームの日本一決定戦、通称“サバゲーハイ”の予選が函館でも開催されるのだ。……これが今回の事件の発端となる」
大きな棚にずらりとエアハンドガンや電動ガンが並べられている、一見するとガンショップのような6畳半の部屋。
まったくちっとも女の子らしくなく、壁には「プラトーン」だとか「スターリングラード」といった戦争映画のポスターがぺたぺたと貼っている。
そこに深刻な顔で相談している男女の姿。
当然ながら二人の話題は年相応の高校生のそれとは大きくかけ離れていた…。
「参ったなぁ、“サバゲーハイ”のルールだと、この1チーム6人ってのが問題なんだよな。あたしとお前のほかになんとか4人、メンバー集められないか?」
深刻な顔でそう言ったのがこの部屋の住人にして、根っからのサバイバルゲーム好き、春樹をこの道に引きずり込んだ張本人の片倉真理18歳。
猫科の動物を思わせる大きな瞳が印象的な、チャーミングなおねぇさんだ。
頼りがいのある性格からか、クラスメイトからも“姉御”と呼ばれるような実に“男らしい”高校三年生である。
が、根っからのミリタリーマニアでトリガーハッピー、そして極め付けとしてマッチョ好き(笑)なため、現在恋人募集中、である。
「4人ですか…」
困惑した表情の春樹。
こちらはちょっと女性的で頼りない感じの容貌の、ごくまじめな高校二年生。
だが、実は彼には魔王を倒す“戦士”センゴクマンの一員としての顔がある。
なんだそれは、と思うかもしれないが、実際そうなのだから仕方ない。
そして真理によって引き出された凄腕のスナイパーとしての能力も持っている。
とはいえ、今は真理からの無理難題に困惑する単なる後輩、の立場。
「そっ、できれば即戦力希望」
そんなわけで、即戦力を4人と言われた春樹の頭の中には淳二、美亜子、輪、そして広奈の姿が浮かぶ。
センゴクレッドこと真田淳二。
センゴクマンのリーダーにして、お気楽極楽アホ男である。
そのマニアックな知識を誇る謎頭脳と、真田流古武術を修めた小柄だが引き締まった身体を両立させている稀有な少年。
うわさによると忍術すら使いこなすというその俊敏さと器用さはサバイバルゲーム向けかもしれない。
センゴクホワイトこと本多美亜子。
黙っていれば宝塚系の凛々しい美少女、槍を持たせれば世界最強の人間凶器である。
特に人間離れした反射神経と索敵能力はかなり貴重な戦力になりそうだ。
センゴクブラックこと直江輪。
冷静沈着、頭脳明晰、深慮遠謀、長身痩躯、七転八倒、女難大王、多分主役。
センゴクマンのブレーンにしてメンバーのまとめ役。
暴走気味の淳二と美亜子の押さえ役として。さらに作戦参謀として輪の力はぜひ借りたいところである。
そして、センゴクイエローこと武田広奈。
その辺のアイドル顔負けの超が付く美少女。
その辺の歌手顔負けの抜群の美声と歌唱力。
その辺の王侯貴族顔負けの気品と育ちのよさ。
その辺の大食い王顔負けの食欲。
とにかくすべての意味で常人を超越した“スーパーお嬢様”である。
サバイバルゲームに向いているとは………、とても思えない。
というか、万が一怪我でもしたら大変だ。
それに、あの可憐な広奈様が電動ガン片手に戦場を駆け回る姿を、春樹はどうしてもイメージできなかった。
広奈を誘うという選択肢は、この時点で春樹の中から消滅した。
かといって他に誰かいるだろうか…。
悩みだした春樹を見て、真理はあえて気楽に言った。
「ま、とりあえず、頼むよ。あたしのほうでも探してみるからさ」
「分かりました…」

<片倉真理姐さん(下書きVer)>クリックするとキャラクターシートへ。
◇センゴクマン秘密基地◇
ナレーション:「そんなわけで、センゴクマン秘密基地でのミーティングにおいて、春樹は大会の旨を説明し、輪、美亜子、淳二に参加を要請した」
「へぇ、面白そうね。いいわよ」
あっさりと快諾したのは美亜子。
とにかく勝負と名の付くことが大好きなのだ。
「じゃ、オレも」
そして淳二も。
こいつの場合はみんなでわいわいやるのが好きなだけ。
「……まぁ、別にかまわないが」
少し考えてから輪も頷く。
「あの、春樹さん、わたくしは?」
声がかからなかったことを疑問に思った広奈が手を上げた。
「え? あ、武田さんはいいよ。結構走り回るから体力的にも大変だし、弾が当たったらやっぱり痛いから、危ないよ」
「いえ、わたくしは…」
と、広奈の発言をさえぎって冷厳な声が響いた。
「私が出よう」
「え?」
発言した人物を見て、春樹は驚いた。
事実上のセンゴクマンの生みの親にして笑えない二重人格者。
広奈に勝るとも劣らぬ美貌の持ち主、明智瑠華、その人だったからである。
瑠華は相変わらずの鉄面皮のまま、有無を言わせぬ口調で断言した。
「戦闘訓練にもなりそうだからな。興味がある」
そしてそういうことになった。
「出るからには、優勝しろ」
晴明長官が最後にそうまとめ、各自に装備品を揃える為の資金の提供を認めるとの発言。
全員が狂喜乱舞する中、一人広奈が不満そうな顔をしていた。
だが、箱入りのお嬢様である広奈がこのゲームに向いているとは、メンバーの誰一人として思っていなかったのである。…当然のことながら。
ミーティングのあと、サポートロボのマカナちゃんは晴明長官にこう感想を述べた。
「晴明さま、鯖って威張るんですねぇ〜。ウチ初めて知りました〜」
◇「ミリタリーのサカイ」遭遇編◇
話はとんとん拍子に進み、春樹の案内で輪、美亜子、淳二、瑠華の4人は買い物に来ていた。
ちなみにお店の名前は「ミリタリーのサカイ」、函館でも唯一のエアガン専門店である。
店の前に来たときに、春樹がちょっと浮かない顔でみんなにこう言った。
「あの、このお店の店員さんってちょっと変わってるけど、驚かないでください」
それを聞いた4人はそろって怪訝な顔。
「変わってるって、どういう風に?」
美亜子が聞くと、春樹はちょっとした決意を秘めた男の顔を見せ、
「実際僕がやって見せますから…」
と言って店のドアをくぐった。
(やる? なにを?)
顔を見合わせつつ、4人はあとに続く。
ぞろぞろぞろと春樹を先頭に店に入った5人が見たものは、奇抜な衣装に身を包んだ、おっさんの姿だった。
原色ばりばりでひらひらのカラフルな衣装、虹色に塗り分けられたネクタイ、そして黒ぶちメガネに口ひげ…。
さらに両手にはなぜかマラカスを持っている。
そんな変なおっさんがマラカスをシャカシャカ振り、踊りながら近づいてくるのだ。
(なっ、何の冗談だ、このおっさん…)
これには百戦錬磨のセンゴクマンも思わず後ずさり。
しかも…
「勉強しまっせ、ミリタリーのサカイ〜♪」
歌つきである。
(な、何なんだ、この店)
一同、絶句。
が、さらに彼らを驚かす衝撃のシーンがこの直後に発生した。
このおっさんを恐れる風もなく、春樹がずいっと近づき、歌に合いの手を入れたのである。
「ほんま〜かいな、そうかいな〜♪ ハイッ!」
(!)
「ハイッ!」である。春樹が「ハイッ!」なのだ。
これほど見事な合いの手がまたとあろうか、いやない(反語)ってなくらいの「ハイッ!」である。
一同、目を点にして立ち尽くした。
硬直した空気が流れる中、おっさんは気にせず歌う。
「勉強しまっせ、ミリタリーのサカイ〜♪」
「このひと〜嘘は申しません〜♪」
おっさんは春樹の合いの手に合わせてさらに歌う。そして踊る。
それにしてもこのオヤジ、ノリノリである。
「勉強しまっせ、ミリタリーのサカイ〜♪」
「エアガン〜買ってサバイバル♪」
よく見ると春樹は顔を真っ赤にしてひたすら照れていたが、なんとか羞恥心に打ち勝ち、その任を全うした。
「これをやるといろいろサービスしてくれるんです。…僕も片倉先輩に連れられてはじめて来た時には、かなりびっくりしたんですけど」
春樹がそう弁明(?)するが、誰も聞いてはいなかった。
あまりの衝撃に(衝撃の8割はむしろ、春樹の合いの手が原因だったが)輪も、美亜子も、そして淳二ですらも言語中枢に一時的な異常をきたしていたのであった。
「確かに…、変わった店員だな」
瑠華のみは普段と変わらぬ仏頂面のままそう呟いた。
◇「ミリタリーのサカイ」買い物編◇
「とりあえず、電動ガンは『東京マルイ』のであれば性能的にはどれでも安心だから好みで選んでいいと思います。あと大会のルールで、安全の為に絶対にフルフェイスゴーグルが必要で、それとサイドアームとしてひとつくらいハンドガンを買っておいたほうが、って…」
誰も聞いちゃいなかった。
皆思い思いに店内に散らばり商品を吟味している。
遭遇編の衝撃もようやく消えたらしく、興味津々に電動ガンを手に取ったり、カタログを見たり。
きわめてマイペースなメンバーなのである。
「ふぅ…」
ため息をついて春樹も店内を見て回ることにした。
エアコッキングガンの棚、ガスブローバックガンの棚、ガスリボルバーの棚、その他消耗品やパーツ類、ゴーグルや手袋、迷彩服などなど。
店員さんに若干、…いやかなり問題があるが、品揃えは完璧である。
そして店内のあちこちに『勉強しまっせ』とか『30%割引』とか『仕事キッチリ!』とか『撃っとけ撃っとけ』などの紙が張ってある。
と、そんな張り紙に紛れ、電動ガンの棚に『AK-47は売り切れました』の文字が。
世界各地の傭兵に愛用されている、質実剛健な実戦向けアサルトライフルAK-47。
サバイバルゲームでの愛用者も多いそのモデルが“なぜか”売り切れていた。
「残念、これお勧めだったんだけど…」
そう呟く春樹だったが、このことの重大さに気付くのはもう少し時間がたってからである。
さて、電動ガンを選ぶポイントだが、はっきり言って性能はどれも大きな差はないので、個人の趣味に従うのが一番である。
さらにはやっぱり試し撃ちしてみて自分が一番使いやすいと思えるものにするのが良い。
で、早速淳二がさっきの変な店員さん(ちなみにお名前は今井さん)に試し撃ちを頼んでいた。
「おや、お客はん、ナニをナニしはりますか」
「…いや、“この銃”を“試し撃ち”だってば」
「はいはい、ナニをナニでんな。目一杯ナニさしてもらいます」
「………」
沈黙した淳二を連れて、今井さんは試射コーナーへ。
「まず、このレバーをセーフティからセミオートに切り替えます。するとナニが一発ずつナニします」
(ナニってナニやねん)
今井さんのよく分からない説明を聞いて淳二が首を傾げるが、(多分弾が一発ずつ発射されるのだろう)と勝手に判断し、とりあえず撃ってみた。
狙いを定めてトリガーを引く。
ガトゥン!
発射音が響きBB弾は見事標的に命中。
「おおっ、すげぇ当たった!」
子供のようにはしゃぐ淳二。
「お客はん筋がよろしゅうおすな。では、今度はレバーをセミオートからフルオートに。そうするとトリガーを引いている限りナニがナニします」
(多分弾が連射されるのだろう)と翻訳し、淳二は言われた通りにトリガーを引きっぱなしにしてみる。
ばばばばばばばばばばばばばばばばばば…。
毎秒10発程度の勢いで次々とBB弾が発射される。
身体に伝わる連射の振動、手応えに淳二が奇声を上げる。
「うにょぉぉほほほほほほーい(?)」
満面の笑み。・・・えらい楽しそうである。
あっという間にマガジンに入ったBB弾を撃ち尽くすと淳二はようやく奇声を止めた。
「こりゃすげぇや。なまら楽しい」
かなりのカルチャーショックだったらしい。
「そらもう、マルイさんの電動ガンは“ずば抜けずば抜け♪ 威力も精度もすごいのよ♪”」
再び歌い、変な踊りを踊る今井さん。
(ずば抜けてるのはおっさんでんがな…)
と、淳二は思ったが口には出さなかった。
そろそろ今井さんのキャラクターに慣れてきたらしい。
「他のナニもナニしてみていいんですよ、ね?」
すでに翻訳も完璧な淳二が今井さんに聞く。
「はい、もちろんええですよ。何だったら展示してあるナニを全部ナニしてみてから買うものを決めてもろうてもええですし」
どうやら春樹の言うサービスというのはこれのことらしい。
「やたっ。じゃ、そうするっす〜」
淳二は狂喜乱舞しつつ再び電動ガンの棚に戻っていった。
「撃っとけ撃っとけ♪サカイで撃っとけ♪函館名物サカイで撃っとけ♪」
今井さんも別の歌を歌いつつ、店内に戻る。
「やはり、変わった店員だな…」
それを見た瑠華がこっそり呟いていた。
てなわけで、今井さんや春樹のアドバイスを受け、何度もナニ、…じゃなかった、“試し撃ち”したりして、4人が装備を買い揃えたのはたっぷり2時間後であった。
その間、試射のコーナーで消費されたBB弾は3000発を軽く越えていた…。
そんな経緯を経て入手した各自のウェポンは以下の通り。(春樹と真理のは元々二人が使っているもの)
| 使用者 | 銃の名前 | 画像 | 解説 |
| 直江輪 | メインウェポン |
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世界中の特殊部隊に採用されているMP5シリーズの最新カスタムモデル。ドットサイト標準装備で遠距離からの狙撃能力も抜群。サバイバルゲームでの使い勝手も最高レベル。輪の合理性が迷わずこれを選んでいた。 |
ヘッケラー&コック MP5 R.A.S.(ラス) |
| サイドアーム |
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ベレッタM92Fのカスタムバージョン。が、そんなことよりも輪のお気に召したのが名前。タクティカルマスター=戦術の達人。軍師輪君、一目ぼれである。 |
M92F タクティカルマスター |
| 本多美亜子 | メインウェポン |
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全長680oとコンパクトなアサルトライフル。M16A1を短銃身化し、伸縮式のストックを装備している。高い命中精度を誇る人気モデル。精悍なデザインと取り回しのよさが美亜子のお気に召したらしい。
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コルトCAR−15 (カーフィフティーン) |
| サイドアーム |
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ちなみにこれは“バイオハザード限定品”。ゲームに登場する「STAR'S」の一般隊員が装備するモデル…なのだが、美亜子がこれを選んだのは、単に名前に惹かれてのことである(笑)。動機が輪と同じというのがなんとも…。 |
サムライエッジ スタンダード |
| 真田淳二 | メインウェポン |
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1997年「ペルー日本人大使館人質ろう城事件」にて強行突入した特殊部隊が使用していた、ベルギー製新世代サブマシンガン。全長わずか504mmの特異な形状はかなりのインパクト。コンパクトサイズにサイレンサー付きなので隠密行動向け。実は左利きでも問題なく使えるので両手利きの淳二向けである。
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P−90 (プロジェクトナインティ) |
サイドアーム |
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いわゆるワルサーP38。何で有名かというとあの「ルパン三世」が愛用していることで有名。
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P38ミリタリーモデル |
| 明智瑠華 | メインウェポン |
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サブマシンガンの代名詞ともいえる名銃「ウージーサブマシンガン」。だが、無骨なデザインからか電動ガンの中では人気ないらしい。ま、あえてこれを使うのも、人と違うものを選びたがる瑠華ならでは。
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ウージーSMG |
サイドアーム |
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手のひらにすっぽり収まる小型サイズ。隠匿性能抜群。アメリカの警察、特に私服警官やシークレット・サービス、そして麻薬捜査官等に支持されている。スマートで洗練された女性が使ってもカッコいい。 |
グロック26 |
| 伊達春樹 | メインウェポン |
画像なし。
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このモデルのみ東京マルイではなくマルゼン社製の競技用精密射撃専用エアースポーツガン。サバイバルゲームのスナイパーには定番のモデル。
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APS−2
スナイパーバージョン |
サイドアーム |
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ベレッタ社が開発したM92シリーズはアメリカ軍がM1911A1(ガバメント)に代わるサイドアームに制式採用した超有名拳銃だ。数々の映画にも登場している。ダイハードでブルース・ウィリスが使っていたり、リーサルウェポンシリーズでも有名。 |
M92F
ミリタリーモデル |
| 片倉真理 | メインウェポン |
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MP5シリーズの中で最小最軽量サイズのコンパクトモデル。片手でも用意に扱えるので、機動力抜群。サイドアーム代わりにも使えてしまう。
映画「MATRIX」では終盤主人公が両手撃ちをしている。
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ヘッケラー&コック
MP5K A4“クルツ” |
サイドアーム |
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真理の場合、サイドアームは携帯しないでMP5K A4を二挺用意している。いざというときは両手撃ち(!) |
なし |
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ここに掲載したエアガンの画像の著作権は、株式会社東京マルイが所有しております。 |
そして安全のために絶対に必要な(大会では着用が義務づけられている)フルフェイスのゴーグルと、予備のマガジン、それを入れるベスト、サイドアームをぶち込むホルスターなどのもろもろの装備を整え、一行は店をあとにした。
ちなみに普通なら迷彩服を買うところであるが、とある理由により、今回はそれは見送ることにした。
その後全員で集まって会議が開かれた。
今大会では参加するすべてのチームはそれぞれ好きなチーム名を名乗っている。
で、当然春樹たちもどんなチーム名にするのか会議にかけて決めようとしたのである。
が、当然というか、非常にもめた。
『シックスコインズ』とか『ドラゴンフライズ』とか『チーム毘沙門天』とか『モノアイドラゴンズ』、学校名にちなんで『白楊ポプラズ』などなど。
さらには『淳ちゃんと愉快な仲間たち』であるとか『本多美亜子と有象無象』とか『六人の侍』とか『サイクロプス隊』とか『駒ケ岳六本槍』とか、果ては『愛野郎Bチーム』まで、もはやなにがなんだかわからないチーム名までもが飛び出す始末。
で、結局。
「もういい、あたしと春樹のチーム名『FANG GUNNERS』をそのまま使う。それなりに知名度があるから相手を威嚇するには十分だ」
と言う片倉真理の鶴の一声で決まった。
一応先輩だし、ことサバイバルゲームに関しては百戦錬磨の猛者である。
誰も異論は挟まなかった。
「生まれながらの勇者は滅多にいない。大部分の勇者は、訓練と、訓練から得られた精神力によって造られる」
レタナス
◇センゴクマン秘密基地◇
というわけで、本番に向けて特訓しようにも一般人に迷惑をかけず、電動ガンで撃ちあいができる場所なんてないので、センゴクマンの秘密基地が練習場所となった。
なので、部外者の真理は来れず、当然春樹が教官役である。
まずはレギュレーションの確認。
サバイバルゲームと一口に言っても単に撃ちあいをするだけではない。
大会が開催される“スポーツ”であるゆえにきちんとしたルールがある。
今回の大会では「フラッグ戦」というゲーム形式が採用されていた。
もっともオーソドックスなこの形式は二手に分かれたチームがそれぞれの陣地に自軍のフラッグ(旗)を立てる。
試合開始ともに自陣から飛び出し、相手を攻め、自陣を守る。
弾が当たったら“ヒット=戦死”となり、ヒットされた選手は「ヒット」と大声で叫び、すみやかに両手を挙げてフィールドから退場する。
そして相手の守りを突破し、敵陣のフラッグに到達すればそのチームの勝利となる。
どう攻め、どう守るか、攻守のバランスを考え、最適な戦術を実行できるチームが勝利を収めることになる。
“本物の”戦闘と同じく、高度な作戦運用とチームワークが必要となるのである。
まさに“スポーツとしての戦闘”なのだ。
当然このゲームには、サッカーなどと同じく、選手それぞれが担当する“ポジション”がある。
そして練習の中で、各自の適性もわかり、ポジションも決定。
フィールドの前線でがんがん攻めていく“アタッカー”には美亜子と淳二。
中盤を支配し、攻撃と防御両方を担うポジションが“ミドルアタッカー”。
これは輪と(秘密基地での練習には参加していないが)真理が担当。
そして防御を行う“ディフェンダー”に明智瑠華。
最後にスコープを装備したライフルを使用し、遠方から敵を狙撃して倒す“スナイパー”が春樹である。
てなわけで、基本的な射撃訓練から始まり、模擬戦闘に至るまで4人はみっちりと鍛え上げられた。
もちろんこの特訓には広奈は顔を見せていない。
◇大会当日◇
大会の会場となったのは函館市にほど近い『紺谷ヶ峠』。
大会本部が設営された山頂駐車場には朝早くから熱心なサバイバルゲームファンが押し寄せていた。
今回の大会は高校生のみ参加できるものであるが、基本的にはサバイバルゲーム愛好家のほとんどは立派な社会人である。
彼らは若い連中の戦いぶりを見物するとともに、有望な新人を自分たちのチームに誘う目的でも観戦している、というわけだ。
もちろん、そんなコアなファン層以外にも参加選手の友人であるとか、輪君の追っかけであるとか、美亜子のファンであるとか、淳二の同好会仲間であるとか、隠れ瑠華マニアであるとか、そんな人たちも見物に来ていたりする。
ついでに、紺谷ヶ峠で活動している走り屋チーム『紺谷ヶスピードプラネッツ』のリーダーである沼谷健二やチームの仲間なんかも姿を見せていた。
走り屋が活動するのは夜なので、日中は暇らしい。
そんなギャラリーのために今回の大会では試合会場の周りにちゃんと観客席を作り、オープニングセレモニーではすべてのチームをきちんとステージで紹介してくれるのである。
その、オープニングセレモニー。『FANG GUNNERS』はひたすら目立っていた。
それはなぜか?
理由は簡単。
『特別賞』狙いである。
この大会ではギャラリーの人気投票で一番人気だったチームにもちゃんと『特別賞』がもらえることになっている。
で『FANG GUNNERS』は優勝と特別賞を両方狙ったのである。
ただでさえ女性の競技人口が少ないサバイバルゲームなのに、チームの半分が女性。
これを利用しない手はないってことで広報部長の淳二が考えた作戦がずばり『コスプレ』
『FANG GUNNERS』オンステージは、さながらコスプレファッションショーの様相を呈していた。
まず輪、F@8のスコ@ル。
これが妙にはまっている。
ちゃんと額に傷(のメイク)をしてあるなどその辺の抜かりはない。
ただし、今回はガンブレードではなくMP5 R.A.S.を手にしている。
登場とともに、「はぐはぐしてぇ〜」などと追っかけの女の子から黄色い声援が飛んでいた。
そして淳二、ルパ@三世。
派手な赤いスーツ、青いシャツ、黄色いネクタイ。
とりあえずP−90は隠しておいて、ワルサーP38を構えてみせる。
原作どおりの銃を買っていたあたり、実は最初からこれを狙っていたらしい。
もちろんモミアゲにはノリが貼ってある。
これまた女の子たちの「泥棒さ〜ん」コールが嬉しい。
春樹は、名探偵コ@ン。
本人はひじょーに嫌がったが淳二の強い勧めにより実現。
だてメガネ(伊達春樹のメガネだから伊達メガネ)をかけ、ぴしっと青スーツに赤蝶ネクタイ。そして哀しみの半ズボン(!)。
BB弾が当たったら痛そうな格好だが、とりあえずスナイパーだから大丈夫。
青を基調としたいでたちはセンゴクブルーの名にふさわしい(多分)。
とりあえず、観客の笑いを一身に集め、女の子たちから「かわいい〜」コール。
春樹は真っ赤になって沈黙した。
真理はトゥー@レイダーのラ@。
アップにした髪をみつあみにし、黒のサングラスに黒ずくめの格好。(映画版仕様)
両手には二挺拳銃ならぬ二挺サブマシンガンである。
パッチリした目がサングラスで隠れると、なんとなく大人のオンナな色気が漂う。
ちょっとぽってり気味の真理の唇が妙にいい感じであった。
「姉御〜」と野太い声で声がかけられていた。
美亜子はなんと新撰組の隊服。
浅葱色の羽織にアサルトライフル…。
時代考証も何もかもすっかり無視している。
懐に拳銃を忍ばせているところはむしろ坂本竜馬である。
が、やっぱりというか不思議と似合っているのである。
なんとなくこれもありかなぁと思わせてしまうような、妙な迫力をかもし出しているのだ。
さすがはサムライガールの面目躍如といったところ。
「本多先輩カッコいい〜」後輩の黄色い声援は輪に勝るとも劣らない。
そしてチーム一の美貌を誇る瑠華はなんとセーラー服姿(!)。
手にはウージーサブマシンガン。
まるでどこかの映画のような取り合わせである。
が、なんと言っても瑠華である。
冷徹にして玲瓏、道行く男性のほとんどが振り返る、モデル顔負けの超絶美貌である。
そしてシャンプーのCMのような腰まで届く輝く黒髪。
そこに女子高生ステイタスが当社比3倍になるリーサルウェポンのセーラー服である。
なぜか手にはサブマシンガンである。
出てきた瞬間から会場がざわめく。
(やべえー、かわいい。こりゃ、ハンパじゃなくかわいい)
沼谷健二が速攻でKOされていた。
いや、正確にはKOされたのは彼だけではなかった。
あっという間に瑠華は会場中の(特に男性の)注目を集めてしまっていたのだ。
うちのチームにこんな子がいたらいいなぁ選手権が開催されたらダントツのナンバーワンである。
と、言うわけで『FANG GUNNERS』はとにかくもう、ひたすらめちゃめちゃ目立っている。
…というよりは、正確な表現をするならば、明らかに“浮いていた”。
他のチームが紹介されるにしたがって『FANG GUNNERS』の異質さが徐々に目立ってきていたのだ。
なぜなら他のチームはベトナム戦争時の米軍の軍装で統一していたり、ナチスドイツのゲシュタポだったり、あるいは西部劇風だったりと、ちゃんと“それなりの方向性”で衣装に凝っていたのである。
そこに、なぜかアニメ&ゲームのコスプレして参戦してしまった『FANG GUNNERS』…。
この時点で彼らは単なるイロモノとして有名になってしまったのであった。
だが、それはそれでそっち方面(?)がお好みのおにぃさんたちの心をがっちり掴んだことに変わりはない。
これ以降『FANG GUNNERS』には固定ファンが付き、その試合には結構たくさんのギャラリーが集まることになる。
そして次回、ついに『FANG GUNNERS』がその騎馬、じゃなかった牙をむく。
果たして彼らの戦いぶりはいかに?
活目して待て!

「慣れていかねばならなかった、立ち向かねばならなかった。6人の勝利のために。
が、振り返ればギャラリーの冷笑は重く、それは消えぬ傷となってハルの胸を刺す。
知らぬ自分に戻れぬ今、彼は半ズボンの哀しみを知る。
次回五行戦隊センゴクマン「センゴクマン狙撃」
決意の一撃で、ウケを狙え『FANG GUNNERS』
」
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