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「私はここに、伊達春子をプティ・スールとする事を宣言する」 その瑠華さまの言葉に、その部屋にいた全員、黄、紅、白の三戦国さまと、黄戦国のつぼみとその妹、さらには白戦国のつぼみに写真部のエース真田淳子さんまでが、一斉に驚きの表情を浮かべた。 「本気なの?」 いまだ半信半疑、といったご様子で、紅戦国さまが瑠華さまにお尋ねになった。 春子は、当然「冗談ですわ、お姉さま。おほほほほほ…」といった返答を期待したのだが、瑠華さまはそんな淡い望みを脆くも打ち砕いた。 「もちろんだ」 どきっぱり。 ぐわーん、と春子の頭に『もちろんだ』が激突し、何度も反響する。 『もちろんだ』 『もちろんだ』 『もちろんだ』 『もちろんだ』 「はうっ…」 凛とした瑠華さまのお声は、春子の憧れとするところだけど、こればっかりはいただけない。 (なんなのそれ? ご冗談でしょう? 私が瑠華さまのプティ・スール? 学園の有名人で、2年では最もお美しい瑠華さまが、どうしてこんなに平凡で目立たない私を妹に? …それより、このままではあの瑠華さまが私のお姉さまになるの!?) ショックから立ち直れない春子の肩を掴むと、瑠華さまは強引に自分のほうを向かせた。 真正面から瑠華さまの美しいお顔と正対し、春子はもう心臓が爆発してしまうんじゃないか、ってほどに焦っていた。 「復唱しろ」 瑠華さまはこの上なく真剣なまなざしで春子の目を見つめ、そう言った。 「えっ? あ、はい」 そう、そんな目で見つめられたら、蛇ににらまれた蛙よろしく、抵抗なんてできっこない。 春子は、半ば呆然としたまま、瑠華の言葉を一字一句間違えないよう、ただの鸚鵡返し少女と化した。 「天地神明に誓う」 瑠華さまのお声は、真剣そのもの。 「て、天地神明に誓う…」 春子も、必死にそれに合わせる。 「ここに明智瑠華、伊達春子は、姉妹の契りを結ぶ」 「ここに明智瑠華、伊達春子は、姉妹の契りを結ぶ」 「この上は、力を合わせ、苦しむ人々を救い、世の民草を安んぜん」 「この上は、力を合わせ、苦しむ人々を救い、世の民草を安んぜん…?」 春子、何か違和感を感じた模様。 だが、瑠華さまはマイペースで誓いのお言葉をお続けになった。 「我ら生まれた日は違えども」 「我ら生まれた日は違えども」 「死すときは同じ日、同じ時を願わん」 「死すときは同じ日、同じ時を…って、なんですかこれ?? な、何か違いませんか??」 さすがに春子も、この異常事態にはきっちり体が拒絶反応を起こしてくれたらしい。 慌てて瑠華さまのお顔を見つめるが、この美しい紅戦国のつぼみは自信満々に断言された。 「いや、違わない。これから私とおまえは『桃園の義姉妹』として黄戦国の乱を平定し、黄、紅、白の三国時代の覇権を競うのだ」 「こ、これって、そんなお話でしたっけーーっ!?」 戦国の館に、春子の叫び声がこだましたのだった…。
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