『嵐を呼ぶレース参戦記』
| 第十五話「嵐を呼ぶ第二ヒート」 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
|
言うまでもないが、競技走行は二本のみ。 一本目を走れなかった私は、ここで結果を出すしかないのだ。
すでに、逃げ場なし。 失敗は、絶対に許されない。
モータースポーツの普及、サーキット走行の面白さを読者に伝える為にも、“初めてクラス”優勝を遂げなくてはいけない。
アルトワークスのエンジンに再び火が入る。 私の闘魂も注入。 ここ一番の最大の集中力を見せて、ぶっちぎりのタイムを叩き出して見せようぞ。 記憶力を総動員し、すでにコースは頭の中に完璧に入っている。 スタートしたら、最初の分岐点で左。 忘れるなよ。スタートしたら、左だぞ。
視界が開ける。 高まる鼓動。 汗ばむ熱気。 エンジンの音。 私を見つめる、視線、視線、視線…。 大江校長の実況のせいか、すでに私はちょっとした有名人。 ギャラリーの注目を浴びていることが、運転席からでもひしひしと分かる。 そして“チーム直江”こと、我らがB.A.R軍団の3人も、私のスタートを固唾を呑んで見守っているはずだ。
そして、スタートのフラッグが大きく振られた…。
お前は自由だ。 サーキットを駆ける一匹の狼となれ!
クラッチをつなぐ。 軽量コンパクトなアルトワークスが、小気味よく加速する。 タコメーターは一気にレッドゾーンへ。 いいぞ、いい感じのスタートダッシュだ。 これまでで、最高の出足。 いける。 これなら、やれる。 私にも出来る。 マシンとの一体感。
ミスコースです。 二本目も、タイムなしです。
デビュー二戦目のジムカーナは、ほろ苦い一日となった…。
|