『嵐を呼ぶレース参戦記』
| 第七話「嵐を呼ぶ仕切りなおし」 |
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一回走ってコースもちゃんと覚えていたのでもう大丈夫。 今回はkyu氏の同乗がなくても走れるだろう、という自信がついたので、一人で走行することにした。 当然、車内からの映像は残っていないため、代わりに外からの映像と、当然ながら聞こえてくる実況をお楽しみいただきたい。
つまり、
みんな見てくれ、私の魂の走りをっ。 中間タイム、1分3秒515。 ゴールタイム、1分47秒694。
確か現在のトップはゼッケン4番の「カローラレビン」の1'31.256。
アルトワークスといえど、私の乗っているのはセカンドグレードなのである。 SOHCターボなのである。 RS系ではなく、ieなのである。 世界の中心でieを叫ぶのである。 ieに乗っている私は、ie野郎なのである。(愛野郎大活躍の小説もよろしく)
遅いのはいうまでもなく、私の腕の未熟ゆえ、である。 しかし、実は1回目の走行タイムは、ビデオに撮っていたおかげで、大体分かるのである。 参考までに教えてしまうと、1分52秒くらい。 つまりたった一回走っただけで、1分52秒→1分47秒と5秒もタイムアップしていたのである。 (kyu氏を降ろした分、マシンが軽くなって速くなった事も考えられる) ともあれ、発想を転換しよう。 トップから16秒遅れだったことよりも、5秒もタイムアップした事をこそ、私は誇りたい。 そして、コースを間違えず、パイロンタッチもコースアウトもせずに二回とも走りきった事をこそ、私は伝えたい。
このクラスにはわが朋友kyu氏が出走するのである。 私をこの道に引きずり込んだ張本人である。 さぁ、一体彼はどんな走りを見せてくれるのであろうか。
公道を走るWRCカー、サーキットでも敵無しのスーパーマシンだ。 なにせ、私のアルトの4倍近い馬力。 水平対抗ボクサーエンジンからひねり出される猛烈なパワーを、スバル自慢の4WDシステムで、余すところなく路面に伝えてくれるのである。 こりゃもう、速いはずである。 加速なんて、もう、大変なのである。
「くぅっ!?」 おかげでピントが狂ったし…。 そして、私のアルトではありえないくらいの速さで、サーキットを駆け抜けるインプレッサ。 おおっ、こりゃぁ速いぞ。 kyu氏のハンドル裁きも絶好調。 これなら文太にも負けねぇぜ! 「ミドルクラスover170」上位入賞の期待を持たせつつ、いよいよ難所の8の字区間へ。 kyu氏がハンドルを一杯に切ると、インプレッサは無事曲がりきれた。 …と、何を思ったか、kyu氏がハンドルを左に切ろうとしているではないか。 これでは8の字ではなく9の字になってしまい、ミスコースでタイム無しだ。 「ああ、ここで(ないって)、こっちこっち」 私も慌てているから、カメラそっちのけで、kyu氏をナビ。 インプレッサ痛恨のストップ。 大幅なタイムロス(笑)。 そしてもう一度ハンドルを切りなおしてゆっくりと8の字をクリア。 もう、2人とも笑いが止まらない(笑) クリア後、耳をすませると大江校長の実況は…。 「さぁ、タイムは1分38秒741」 「遅〜っ(笑)」
というわけで、早くも私の第二ヒートの模様をお伝えする。 第二ヒートといっても三回目の走行になるのだが、まぁ細かいことは気にしてはいけない。 今回もkyu氏を降ろして、一人での走行。
そして実に楽しい。非常にいい感じである。 この調子で、…と力が入った私、ホームストレートに戻ってきた瞬間やらかしてしまった。 2速全開から3速へシフトアップ! しかし、なぜか水冷直列3気筒SOHCターボのF6Aちゃんが、ぼへ〜、と低い回転しかしてくれない。 アクセル全開なのに全然加速してくれないのだ。 なぜだっ!?? 悪夢のエンジントラブルかっ!??
多分、ホームストレートの通過スピードは本日の参加マシンの中で一番遅かったに違いない(笑)。 しかし、ホームストレート後の中間タイムの計測では…、1分1秒555。さっきより2秒速いぞ。 3速に入れていればさらに1秒速かったに違いない。 さぁ、残りをきっちりまとめれば、おそらくさっきよりさらに4秒くらい速いタイムが…。
あれ? 1秒しかタイム変わってないし…。 中間で2秒速かったのにこのタイムってことは、後半セクションで1秒遅かったってこと?
もう、ミスは許されない、とばかり、気合十分でインプレッサに乗り込む。 一方の私は、カメラマンとして、今回は外からの撮影に専念。 kyu氏との腕の違いを見せるべく、ズームなんて高度な機能を使ってみたり。 そして、ズームしすぎて、インプレッサを見失ってみたり(笑)。
が、ホームストレート通過後の、左コーナーを、勢いあまって素通り(笑)。 慌てて止まってバックギアという、痛恨のミスをやらかしてしまう。 これで5秒くらい損したはず。 しかし、ゴールしてみれば、1ヒート目の1'38.741とくらべ、1'32.548と、それでも大幅にタイムアップ。 ミスがなければ余裕で1分30秒を切っていただろう。
私の順位は「初めてクラス」27台中21位であった。 まぁ、ミスコースをしなかったから、最下位にならずに済んだ、程度の順位ではあるが、それでも一応目標達成である。 (デビュー戦優勝という目標は忘れた) ちなみに、kyu氏は「ミドルクラスover170」19台中14位と不本意な成績。 次回7月19日の第三戦に向けて、お互い課題が多い一日であった。 しかしながら、今の私はまさに急成長中。 次までにどれだけ腕を上げることができるだろうか。 とにかく、実に楽しみである。 ぜひ次回は初めてクラスでも上位に食い込み、ゆくゆくは軽自動車クラスに参戦したいものである。
クルマの中でかかっている音楽は、ドボルザーク交響曲第九番『新世界より』の第二楽章。 そう、まさに『家路』がかかっていたのである。
『家路(遠き山に日は落ちて)』 作詞者 堀内敬三 作曲者 ドボルザーク
遠き山に 日は落ちて 今の私にぴったりの曲であった。 きょうのわざをなし終えた私は、心軽くアルトを走らせる。 昼の熱気が嘘のように、風は涼しこの夕べ。 いざや楽しき12号線。
今度参加するのはOSL四輪そうこう勉強会「セカンドステージ」である。 金曜日なので有給休暇をとって参戦した私、kyu氏、T氏。 朝から晩まで走りっぱなし、という超過酷なスケジュール。 限界走行を強いられたアルトワークスについに異変が勃発? そして、私の身に起きた、恐怖のアクシデントとは? 全国7千万人のグランツーリスモファンを熱狂させるレース参戦記、いよいよ新シリーズへ。
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